2012年9月8日土曜日

『アイガモがくれた奇跡 失敗を楽しむ農家・古野隆雄の挑戦』 古野 隆雄 著

アイガモ農法の第一人者である著者が、さまざまな苦労をしながらアイガモに出会い、やがてアイガモ農法を確立・普及させていくサクセス・ストーリーの本。

本書はアイガモ農法そのものの話ではなく、著者の人生の振り返りとも言うべきものである。ただし、話の流れ上アイガモ農法の利点も学べることができ、その雰囲気や、どのような背景で成立したのかといったことも知ることができる。

一農家にすぎなかった著者が、完全有機栽培を始めアイガモに出会い、苦労をしながらもアイガモ農法によって成功し、各国で講演をしたり、本を出版したり、スイスのシュワブ財団より2001年「傑出した社会起業家」の一人に選出されたりするというのは、話として面白い。

また、これは純粋な著書ではなくて聞き書き(取材したことを編集者が書いて、それを著者が校正する)だし、元は新聞連載なので大変読みやすい。ワクワクドキドキというような展開はないが、ひどく退屈な部分もない。

人生を通して何かを言う、のような偉ぶったところもなく、教訓めいた話もない。同時に、深い洞察や哲理も述べられないが、そこはあっさりとしていて逆によい。

とはいうものの、これはアイガモ農法を確立した著者の人生に関心がある人だけが読む意味がある本である。これを読んで勉強になる! などということは、農業をしていない人にはないと思う。でも農業従事者であれば、著者の生き方には何か感じるところがあるかもしれない。

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