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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2024年4月29日月曜日
『近代天皇制と伝統文化──その再構築と創造』高木 博志 著
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近代天皇制と伝統文化との連関を論じる本。 明治維新以降の近代天皇制においては、前近代の文化を再構築した「伝統文化」を不可欠とした。郷土愛が愛国心に包摂されていったのも、近代日本のアイデンティティの確立にも、国体を体現する伝統文化が大きな役割を果たしていた。 一方で、明治政府は神仏...
2024年4月13日土曜日
『メンデルスゾーン』ひのまどか著
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メンデルスゾーンの伝記。 メンデルスゾーンは、近代西洋音楽の歴史おいて随一の才能を持ち、しかも恵まれた環境に生まれた。また彼は非常なる努力家であり、また勤勉であった。その上、大変教養が深く、人当たりもよかった。才能と努力が両立することは第一級の人物にはしばしば見られるが、彼の場合...
2024年4月2日火曜日
『江戸の農民生活史—宗門改帳にみる濃尾の一農村』速水 融 著
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江戸時代の一農村の人口の歴史を述べる本。 江戸時代には、戸籍のような役割を持つ宗門人別改帳(しゅうもんにんべつあらためちょう、以下「宗門改帳」)が作成された。これは全国で作成されたのであるが、意外と完全には残っていない。ところが、大垣からほど近い西条村という濃尾平野の小さな村の宗...
2024年3月19日火曜日
『日本霊異記』原田 敏明・高橋 貢 訳
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日本最古の仏教説話集。 『日本霊異記』は、正式な書名を「日本国現報善悪霊異記」といい、平安時代の初期に薬師寺の景戒(きょうかい)という僧によってまとめられた。その書名のとおり、テーマとなっているのは因果応報だ。善い行動にはよい報いが、悪い行動には悪い報いが現れた…という不思議な話...
2024年3月17日日曜日
『方丈記私記』堀田 善衛 著
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堀田善衛の読み解く鴨長明『方丈記』 。 本書の冒頭に、著者は「これは方丈記の読解ではなく、私の体験を述べるものだ」という趣旨のことを書いている。 それは、1945年3月の東京大空襲から始まる。著者はこの空襲の直接の罹災者ではなかったが、東京にいた。そしてこの空襲による大火災を遠望...
2024年3月16日土曜日
『荘園—墾田永年私財法から応仁の乱まで』伊藤 俊一 著
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荘園の通史。 荘園とは私有の農園(とそれに付属する土地)である。中世の歴史の下部構造をなしたものの一つが、荘園であった。墾田永年私財法から約750年、平安時代から戦国時代までの長い期間、荘園は姿を変えながら存続し、日本社会の基調をつくった。本書は、荘園の在り方の変遷を全方位的に述...
2024年2月17日土曜日
『近世日本の国家権力と宗教』高埜 利彦 著
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幕府と朝廷の両方を国家権力と捉え、宗教統制のあり方を考察する論文集。 近世の日本は幕藩体制にあり、朝廷もその下に置かれた。しかし朝廷が幕府の下請け機関にすぎなかったかというとそうでもなく、独自の権威を保持し続け、また近世後期になると「朝廷復古」が徐々に進展した。 武士や町人、百姓...
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