書径周游
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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2025年10月23日木曜日
『鎌倉仏教の中世』平 雅行 著
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中世仏教を顕密体制論に基づき再構築して語る本。 「顕密体制論」とは、中世仏教の基軸が顕密仏教(顕教と密教=南都六宗・天台宗・真言宗=旧仏教)であるとするもので、1975年に黒田俊雄によって提唱された学説である。 それまで、中世仏教といえばいわゆる「鎌倉新仏教」、つまり法然、親鸞、...
2025年10月20日月曜日
『日本造形史—用と美の意匠』水尾 比呂志 著
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日本美術の歴史を、生活・宗教・作家の三側面から述べる本。 本書は、武蔵野美術大学での講義に基づいて著述した『日本美術史』を元に、武蔵野美術大学造形学部通信教育課程のテキストとして、タイトルを改めて補訂出版されたものである。 では「美術」から「造形」へのタイトル変更はどういった思想...
2025年10月18日土曜日
『盆行事と葬送墓制』関沢まゆみ・国立歴史民俗博物館 編
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盆行事の地域差に注目して葬送の思想を民俗学によって明らかにしようと取り組む本。 本書は、2013年に開催された第9回歴博映像フォーラム「日本各地の盆行事と葬送墓制の最近の変化」における報告と討論を中心としてまとめたものである。私自身は、お盆の歴史的変遷に興味があったのだが、本書で...
2025年10月6日月曜日
『日本法制史(下)』瀧川 政次郎 著
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( 上巻 からの続き) 第5編 融合法時代中期(国法時代) 戦国時代には「法律が異常なる発達を遂げた(p.11)」。伊達家の『塵芥集』(171か条)や武田信玄の『甲州法度』(55か条)のような法典が各地で編纂されたのである。それらは概ね室町時代の法令に倣っており、制裁が弾圧的で...
2025年9月10日水曜日
『江戸のセンスー職人の遊びと洒落心』荒井 修・いとうせいこう 著
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扇子のデザインを語る本。 本書は、東京の扇子の店「荒井文扇堂」の主人・荒井 修 氏の話をいとうせいこう氏が聞いたものの記録である。対話ではなく、荒井氏の話がまとめられており、章末にいとうせいこう氏のコメントが付されるというスタイルになっている。 荒井氏の話は、基本的には江戸時代か...
2025年8月24日日曜日
『老子』福永 光司 訳(『世界古典文学全集37 老子・荘子』所収)
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老子の思想。 『老子』を通読するのは3度目である。以前は道の思想に憧憬を抱き、無為の世界を体得しようとさえ思っていた。だから以前は、「聖典」へ向かう態度で『老子』を見ていたと思う。今でも道の思想には魅力を感じているが、一歩引いてみられるようになった。そして今回は、今まであまり目に...
2025年8月20日水曜日
『民間暦』宮本 常一 著
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民間の年中行事について考察した本。 本書には、「新耕稼年中行事」『民間暦』「亥の子行事—刈り上げ祭り」の3編が収録されている。 このうち『民間暦(みんかんれき)』は、宮本常一が初めて一般向けに出した単行本である。小学校教員をしていた宮本が民俗学の世界に傾倒し、教員を退職して調査研...
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