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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2025年12月13日土曜日
『近世史講義―女性の力を問い直す』高埜 利彦 編
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近世史を女性の観点を踏まえて概観する本。 ちくま新書の「〇〇史講義」は、まるで大学の授業を受けているような気分になるシリーズである。学術的ではあるが個別事項に深入りせず、その時代を概観することができる論考が納められている。 このシリーズは、通史を読んだ後に、もう少しその時代を勉強...
2025年11月16日日曜日
『荘子』福永 光司・興膳 宏 訳(『世界古典文学全集37 老子・荘子』所収)
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『荘子』の画期的な現代語訳。 私は『荘子』を通読するのは2回目である。初回は20代の頃で、岩波文庫の金谷治訳注のものだった。その時は、なんだか『荘子』がかっこいいものに見えて心酔し、当時漢検1級を取ろうとしていたこともあって、内編の半分くらいを筆写したほどだ(でも内容はあまりわか...
2025年11月13日木曜日
『北畠親房『神皇正統記』現代語訳・総解説』今谷 明 訳・著
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『神皇正統記』の全訳および解説。 北畠親房の『神皇正統記(じんのうしょうとうき)』は、神国思想を鼓吹した書であり、その冒頭「大日本(おおやまと)者(は)神国(かみのくに)也」はあまりにも有名である。 私は原文でこれを通読しようと手に取ったが、最初の方はともかくとして途中無味乾燥な...
2025年11月10日月曜日
『阿弥陀聖 空也――念仏を始めた平安僧』石井 義長 著
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空也の評伝。 空也(903~973)は、鴨長明が『発心集』で「わが国の念仏の祖師と申すべし」と述べたように、いち早く念仏を行い、人々に広めた先駆者である。空也は法然(1133~1212)よりも230年早く生まれ、源信の『往生要集』が書かれる13年前に亡くなっている。 しかしながら...
2025年10月23日木曜日
『鎌倉仏教の中世』平 雅行 著
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中世仏教を顕密体制論に基づき再構築して語る本。 「顕密体制論」とは、中世仏教の基軸が顕密仏教(顕教と密教=南都六宗・天台宗・真言宗=旧仏教)であるとするもので、1975年に黒田俊雄によって提唱された学説である。 それまで、中世仏教といえばいわゆる「鎌倉新仏教」、つまり法然、親鸞、...
2025年10月20日月曜日
『日本造形史—用と美の意匠』水尾 比呂志 著
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日本美術の歴史を、生活・宗教・作家の三側面から述べる本。 本書は、武蔵野美術大学での講義に基づいて著述した『日本美術史』を元に、武蔵野美術大学造形学部通信教育課程のテキストとして、タイトルを改めて補訂出版されたものである。 では「美術」から「造形」へのタイトル変更はどういった思想...
2025年10月18日土曜日
『盆行事と葬送墓制』関沢まゆみ・国立歴史民俗博物館 編
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盆行事の地域差に注目して葬送の思想を民俗学によって明らかにしようと取り組む本。 本書は、2013年に開催された第9回歴博映像フォーラム「日本各地の盆行事と葬送墓制の最近の変化」における報告と討論を中心としてまとめたものである。私自身は、お盆の歴史的変遷に興味があったのだが、本書で...
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