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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2025年7月15日火曜日
[論文]「古代中世の葬送と女性——参列参会を中心として」島津 毅 著
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古代中世において、女性がどう葬送に参画したかを分析する論文。 平安時代には、母は子の葬送に参列すらしなかったという。例えば美福門院藤原得子の葬列には娘の暲子内親王、姝子内親王は参加していない。暲子内親王は両親から莫大な財産を相続していたにもかかわらず、母の葬送に参列していない。な...
2025年7月13日日曜日
『江戸の旅日記——「徳川啓蒙期」の博物学者たち』ヘルベルト・プルチョウ 著
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江戸の旅日記から視野の拡大を考察する本。 日本人にとって、旅に出ることは見知らぬものを発見することではなく、歌枕をめぐることで古の旅人たちを追体験することであった。しかし江戸時代になると、旅人たちは新しい「現実」を発見することになる。旅は見聞を広め、自らを相対化し、あるいは「日本...
2025年7月6日日曜日
『タマや(新装版)』金井 美恵子 著
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連作短編集。 主人公(夏之)は、恒子という女性が飼っていたタマという猫を押し付けられる。夏之に猫を押し付けたのは恒子の異父弟のアレクサンドル(これはAV男優としての芸名である)だ。 恒子は、妊娠したために猫が飼えなくなった、という。主人公は恒子と関係を持ったことがあった。自分の子...
2025年7月5日土曜日
『日本古代中世の葬送と社会』島津 毅 著
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日本の古代・中世における葬送の実態を再考する論文集。 本書は、古代・中世における日本人の死生観や人々の葬送とのかかわりについて、極めて実証的に論証したものである。 これまで、葬送の研究は盛んに行われてきた。しかし、それは少数の事例からの推測に基づくものが多かった。そこで著者は大量...
2025年6月22日日曜日
『日本中世の国家と宗教』黒田 俊雄 著
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日本中世の国家と宗教の在り方を考察した論文集。 本書には、「権門体制」と「顕密体制」という二つの新しい見方を提示したという画期的な意義がある。そして本書は、中世の宗教を考察する上で避けて通れないものである。しかし私は、数年前に本書を手に取ったがなかなか読み進めることができなかった...
2025年6月8日日曜日
『日本法制史』瀧川 政次郎 著
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日本法制史の嚆矢。 今でこそ日本法制史と題した本は何種類も出ているが、昭和3年に刊行された本書はまさにその種の本の始めであって、また瀧川政次郎の出世作でもある。なぜ昭和3年まで日本法制史が世に出来しなかったかというと、日本近代の法律および法学は海外からの移植を主としていたから、法...
2025年4月30日水曜日
『後白河院――王の歌』五味 文彦 著
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後白河院の生涯とその時代を述べる本。 本書の副題には「王の歌」とある。これは『梁塵秘抄』の歌を表す。いうまでもなく『梁塵秘抄』とは後白河院が編纂した、今様(いまよう)という歌の集成だ(『口伝集』という今様論を含む)。 先日、私は『梁塵秘抄』をざっとではあるが通覧した。そこに表現さ...
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