書径周游
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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2025年6月22日日曜日
『日本中世の国家と宗教』黒田 俊雄 著
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日本中世の国家と宗教の在り方を考察した論文集。 本書には、「権門体制」と「顕密体制」という二つの新しい見方を提示したという画期的な意義がある。そして本書は、中世の宗教を考察する上で避けて通れないものである。しかし私は、数年前に本書を手に取ったがなかなか読み進めることができなかった...
2025年6月8日日曜日
『日本法制史』瀧川 政次郎 著
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日本法制史の嚆矢。 今でこそ日本法制史と題した本は何種類も出ているが、昭和3年に刊行された本書はまさにその種の本の始めであって、また瀧川政次郎の出世作でもある。なぜ昭和3年まで日本法制史が世に出来しなかったかというと、日本近代の法律および法学は海外からの移植を主としていたから、法...
2025年4月30日水曜日
『後白河院――王の歌』五味 文彦 著
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後白河院の生涯とその時代を述べる本。 本書の副題には「王の歌」とある。これは『梁塵秘抄』の歌を表す。いうまでもなく『梁塵秘抄』とは後白河院が編纂した、今様(いまよう)という歌の集成だ(『口伝集』という今様論を含む)。 先日、私は『梁塵秘抄』をざっとではあるが通覧した。そこに表現さ...
2025年4月5日土曜日
『葬儀の歴史』芳賀 登 著
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日本人の葬儀の歴史。 著者の芳賀登は、幕末の国学の研究者である。幕末において、国学者たちはあの世観・霊魂観に対して様々な新しい考えを提唱していた。それは仏教的な死後の観念に対する戦いであったと思う。私は、彼らが戦っていたものの具体的な姿に興味を持っており、本書にはそういう視点が盛...
2025年3月31日月曜日
『三彜訓』柏原 祐泉 校注(『近世仏教の思想(日本思想大系57)』所収)
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三教一致を主張する本。 『三彜訓』は浄土宗の僧侶、大我の書である。大我は京都石清水の正法寺22世住持。宝暦8年(1758)の序・跋があり京都・大坂・江戸で刊行された。原漢文。 まず冒頭の署名に目を引かれた。「日本 釈大我絶外 述」とあるのだ。ここに「日本」と記した意味は大きい。「...
2025年3月27日木曜日
『呪術と占星の戦国史』小和田 哲男 著
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戦国時代における呪術について述べた本。 本書は「戦国期の古文書、古記録に散見される呪術や占星にかかわる記述を通して、従来描かれている戦国史とは違うものを書けないだろうか(p.10)」との思いで書かれたものである。 戦国時代といえば、血で血を洗う闘争の時代であり、呪術のような実効性...
2025年3月26日水曜日
『呪いと日本人』小松 和彦 著
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日本人にとっての呪いの本質を考察する本。 本書は光文社のカッパ・サイエンスの一冊であったものの文庫化である。学術的な著作ではないので非常に読みやすいが、著者自身の研究に基づいたものであり、それまでにほとんど史学面での研究がなかった呪詛を日本史に位置づけるという意欲作である。 著者...
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