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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2025年2月24日月曜日
『選択本願念仏集』法然 著・大橋 俊雄 校注
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法然の主著。 法然に従う人々が多くなってくるにつれ、親しく教えを受けられない人が多くなっていき、教えの要点を記した文書の必要性が高まっていた。また、九条兼実は法然に教えをまとめてほしいという要請をしたらしい(『選択密要決』)。そういう事情から、建久9年(1198)に著されたのが『...
2025年2月12日水曜日
『待賢門院璋子の生涯――椒庭秘抄』角田 文衛 著
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待賢門院璋子の生涯を詳しく解き明かした本。 本書は、美川圭氏によって「衝撃の書」と評された本である。崇徳天皇が白河法皇と待賢門院璋子の不義の子であるという『古事談』にある逸話を執拗なまでに論証し、事実であると認定したのが本書なのである。 しかし、『古事談』の逸話が事実であることを...
2025年2月9日日曜日
『白河法皇――中世をひらいた君主』美川 圭 著
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白河法皇の評伝。 白河法皇は、院政を始めた人物として画期的な意義を持っている。ところが、白河法皇は昔から人気がなく(!)、本格的な評伝が全く書かれていなかった。人気がないのは彼が専制君主であったためというが、そんなことで評伝が書かれないとは不思議な気がする。 ともかく、その知名度...
2025年1月29日水曜日
『日本史の中の女性と仏教』吉田 一彦・勝浦 令子・西口 順子 著
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古代と中世を中心に女性がどう仏教を信仰したか概説する本。 本書は、光華女子大学/短大の公開講座をまとめたものである。その基本的な視座は、「仏教において女性はどう扱われてきたか」ということではなく、「女性は仏教をどう信仰してきたのか」というものだ。登壇したのは、吉田一彦、勝浦令子、...
2025年1月19日日曜日
『日本中世の社会と仏教』平 雅行 著
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顕密仏教と浄土教を考える論文集。 黒田俊雄が1975年に発表した「顕密体制論」は、中世の仏教の中心は鎌倉新仏教ではなく、顕密仏教(顕教と密教。古代以来の仏教)であったことを明らかにした。平雅行はこれを継承し、であるならば、鎌倉新仏教は中世の社会にどう位置付けられるのかを考究した。...
2025年1月9日木曜日
『日本の祭』柳田 國男 著(柳田國男全集13)
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日本の祭の本質を考究する本。 本書は、昭和16年に東京帝国大学で行った全7回の教養特殊講義の講義録である(終わりの2章は事情があって講義を中止したらしく手控えの浄書)。 その最初に、私はちょっと度肝を抜かれた。著者は青年たちを前に説教するのである。 曰く、「青年時代は、地元の祭の...
2025年1月4日土曜日
[論文]「日本中世における在俗出家について」平 雅行 著
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日本中世における出家の要因を分析した論文。 本論文は、同著者の「 出家入道と中世社会 」に続くものである。この論文では中世において〈出家入道〉と呼ばれる存在が、社会のあらゆる階層に大量に存在していたことを示した。しかし彼らがなぜ出家したのかは、10の要因が概略的に述べられるのみで...
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