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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2024年12月27日金曜日
『鬼無鬼島』堀田 善衛 著(『新潮日本文学47 堀田善衛集』より)
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土俗化したキリシタン信仰を描いた小説。 本書の舞台となっているのは、鹿児島にある「鬼無鬼島(きぶきじま)」という架空の島である。ところが、鹿児島の人が読んでみれば、これは甑島をモデルにしていることがすぐわかる。いやそれどころか甑島そのものだ。また、「上ノ池(かみのいけ)」というも...
2024年12月21日土曜日
『日本仏教史 第1巻 上世篇』辻 善之助 著(院政期抜粋)
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平安後期の仏教史。 辻善之助『日本仏教史』(全10巻)は、日本仏教史の金字塔であり、戦前にまとめられたものでありながら、現在までこれを超えるものは出ていない。もちろん古い学説に基づいている部分は多く(特に顕密体制論以前であることは大きい)、読書には少し注意を要する。 また、本書は...
2024年12月8日日曜日
『平安京と中世仏教——王朝権力と都市民衆』上川 道夫 著
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平安時代末期の歴史を仏教史を軸として述べる本。 平安時代末期、平安京は仏教都市化した。それは、この時代の仏教が次第に葬祭を担い、追善供養が貴族たちの必須の営みとなったことによる。空也が諸国修行中にたくさんの死体を集めて火葬し、念仏で追善を行ったのはその先蹤だという。延喜2年(90...
2024年12月5日木曜日
『院政 増補版——もうひとつの天皇制』美川 圭 著
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院政の展開を述べる本。 本書は、後三条天皇から後嵯峨院政までを中心として、院政の展開を描くものである。ただし、院政という制度がテーマではあるが、平安期末から武家政権の成立、そして両統迭立の時代までの通史を朝廷(と幕府)の人間関係を軸に語っており、制度論ではない。 私が本書を手に取...
2024年11月30日土曜日
『葬式仏教』圭室 諦成 著
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仏教が葬式を担うようになった次第を述べる本。 日本では、葬式と言えば仏式と相場が決まっているが、日本に伝来した元来の仏教は葬式を行うものではなかった。それが葬式を行うようになった次第については、今では多くの研究が蓄積されている。本書はそうした研究の嚆矢となった、最も早くまとめられ...
2024年11月16日土曜日
『出羽三山―山岳信仰の歴史を歩く』岩鼻 通明 著
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出羽三山についての概説。 出羽三山とは、山形県のほぼ中央に位置する三つの山であり、修験道の修行の山として栄えた有名な霊場である。だが私にとって出羽三山は土地勘のない東北のことなので、どうも印象がボンヤリとしている。そこで手に取ったのが本書である。 出羽三山は、かつては 月山 (1...
2024年11月12日火曜日
『先祖の話』柳田 國男 著(柳田國男全集13)
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日本人の最も大きな信仰が先祖崇拝だったことを述べる本。 本書は、日本人の信仰を考察する際に必ず参照されるといっても過言ではない。その結論は「解説」で新谷尚紀が端正に要約している。曰く「人は死ねば子や孫たちの供養や祀りをうけてやがて祖霊へと昇華し、故郷の村里をのぞむ山の高みに宿って...
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