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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2024年8月23日金曜日
『江戸のはやり神』宮田 登
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近世に流行した神について述べる本。 近世にはたくさんの流行(はやり)神が登場した。何かのきっかけで熱狂的な信仰を集め、しばらくするとそれが廃れてしまう。流行という、ありふれた現象のようであるが、神仏にそれが起こったということに近世の特色がある。それは「朝観音夕薬師、鰯の頭も信心か...
2024年8月18日日曜日
『バテレンの世紀』渡辺 京二 著
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異国船来訪の一世紀を描く本。 明治維新前後には、大勢の西洋人が日本を訪れた。そして彼らは日本がまるでおとぎの国のようであることに驚いた。本書の著者渡辺京二はそれを『逝きし世の面影』に描き、外国人の視点から近世末の社会を投射した。 しかしそれは日本人と西洋人のファーストコンタクトで...
2024年8月9日金曜日
『日本仏教史―思想史としてのアプローチ』末木 文美士 著
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日本仏教史を、思想を中心として述べる本。 本書は、『図説日本の仏教』全6巻(太田博太郎・中村元・濱田隆監修)で著者が書いた項目(主に各巻の思想の概説)を基に、若干書き足して再編集したものである。 本書は日本仏教史としてはかなり短く簡潔である。本文は350ページほどしかなく、しかも...
2024年7月20日土曜日
『宗教以前』高取 正男・橋本 峰雄 著
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近代以前の宗教意識を民俗から探る本。 本書は、「民俗から見た日本人の宗教意識」を考えた1967年のNHKの番組「宗教の時間」を基にまとめたものである。著者の二人は、番組では対談したのではないかと思うが、どんな番組であったのかは本書からはわからない。また、著者二人の担当部分が明確に...
2024年7月17日水曜日
『近世の仏教―華ひらく思想と文化』末木 文美士 著
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近世の仏教の概説。 辻善之助の『日本仏教史』において、近世の仏教は堕落していたとされ、それが通説となってきた。近世の仏教界は檀家制度に安住し、僧侶は戒律を守らず肉食妻帯し、思想的な発展もなかったのだと。しかしそれは一面的な見方だと今では修正が必要になっている。転機になったのはヘル...
2024年7月12日金曜日
『中世芸能講義――「勧進」「天皇」「連歌」「禅」』松岡 心平 著
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中世の芸能について、勧進・天皇・連歌・禅の視点から語る本。 本書の原著(『中世芸能を読む』)は、岩波セミナーで講義した速記録を加筆修正したもので、それを若干修正し4つのコラムを付け加えたのが本書である。 勧進 勧進は、近年様々な面で注目されている。中世、勧進聖は一種の企業体・商社...
2024年7月10日水曜日
『もう一つの中世像――比丘尼・御伽草子・来世』バーバラ・ルーシュ 著
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女性や絵解きなど、看過されがちだったものに光を当てる論文集。 著者のバーバラ・ルーシュは、コロンビア大学の大学院生だった時、京都大学に在籍して中世の小説の研究をしていた。そして京都で偶然、浮世絵を扱う古物商らしきイギリス人と食堂で出会い、奈良絵本について語り合う。そしてそのイギリ...
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