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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2024年2月17日土曜日
『近世日本の国家権力と宗教』高埜 利彦 著
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幕府と朝廷の両方を国家権力と捉え、宗教統制のあり方を考察する論文集。 近世の日本は幕藩体制にあり、朝廷もその下に置かれた。しかし朝廷が幕府の下請け機関にすぎなかったかというとそうでもなく、独自の権威を保持し続け、また近世後期になると「朝廷復古」が徐々に進展した。 武士や町人、百姓...
2024年2月11日日曜日
『日本葬制史』勝田 至 編
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日本の葬制史の概説。 日本人は死体をどう処理してきたか。本書は、その背景に「日本的」思惟があったという考えを脇に置いて、客観的な葬制の歴史を述べたものである。 ただし、私自身は葬制の背後にある思想に興味がある。本書の冒頭にも他界観についての説明があり、日本人が考える死者の行く先の...
2024年1月28日日曜日
『寺社焼き討ち―狙われた聖域・神々・本尊』稙田 誠 著
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寺社焼き討ちの論理を探る本。 中世は宗教の時代である。人々は神仏を実体のあるものとして認識し、生活全般が宗教によって規定されていた。しかしそんな中でも、寺社はしばしば焼き討ちされた。なぜ篤く信奉していたはずの寺社を焼き討ちするなどということができたのか。それは信仰心の衰微の表れな...
2024年1月26日金曜日
『神武天皇の歴史学』外池 昇 著
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神武天皇が近世・近代にどう扱われたかを述べる本。 本書のタイトルは「神武天皇の歴史学」であるが、神話のなかの存在である神武天皇の「歴史学」とは何か。それは、近世・近代に神武天皇がどう扱われたのか、つまり神武天皇をめぐる歴史を叙述するというものである。 その中心は、陵墓の扱いである...
2024年1月22日月曜日
『中世神話』山本 ひろ子 著
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中世神話を概観する本。 中世神話とは、「中世に作成された、おびただしい注釈書・神道書・寺社縁起・本地物語などに含まれる、宇宙の創世や神々の物語・言説(p.4)」をいう。要するに、中世に生み出された新しい神話群が中世神話なのだ。 これには主に3つのジャンルがある。第1に「中世日本紀...
2024年1月14日日曜日
『神仏習合』義江 彰夫 著
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神仏習合現象を社会の動きから述べる本。 本書は、神仏習合を「神祇信仰と仏教が複雑なかたちで結合し、独特な信仰の複合体を築いたもの(p.6)」と定義し、「神仏習合を通して日本人の精神世界の豊かな歩みを、社会構造と有機的にリンクさせながら描きなおす試み(p.7)」として書かれたもので...
2024年1月12日金曜日
『覚鑁—内観の聖者・即身成仏の実現(構築された仏教思想)』白石 凌海 著
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覚鑁(かくばん)の評伝。 覚鑁というと、空海や最澄、親鸞とか一遍のような、宗派の宗祖に比べると知名度はかなり低い。しかし、真義真言宗を開いた、いわゆる「宗祖」と呼ぶべき僧侶の一人である(といっても本人は新しい宗派を開創したとは考えていなかった)。 覚鑁の評価はなかなか定まらなかっ...
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