書径周游
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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2023年8月18日金曜日
『武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新』磯田 道史 著
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加賀藩の武士の家計簿・書簡を詳細に読み解く本。 近世の武士の懐具合はどんなものだったのだろうか。これが意外にわからない。武士は算盤を遠ざけていたようで、家計簿がほとんど全く残っていないからだ。 ところが著者は、古書店の目録にて「金沢藩士猪山家文書」を見つけ、これを即刻15万円で購...
2023年8月13日日曜日
『奈良の寺—世界遺産を歩く』奈良文化財研究所 編
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奈良の寺の発掘調査の報告。 本書は、奈良文化財研究所が最新の(本書刊行2003年)発掘調査の結果を基に、奈良の代表的な宮跡・寺院・寺院跡について平易に紹介するものである。執筆は同研究所の研究者約50人が分担して行っているが、調子が整っているので論文集的ではなく、通読して全く違和感...
2023年8月9日水曜日
『明治洋食事始め―とんかつの誕生』岡田 哲 著
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明治時代の洋食文化の成立について述べた本。 明治維新は、料理維新でもあった。西洋料理に触発されて、日本では新しい料理文化が育った。「洋食」とは、西洋料理そのものではなく、日本の食文化に希薄だった油脂と獣肉という西洋の食材を用いて、パンではなくご飯に合う料理として新たに考案されたも...
2023年7月17日月曜日
『ユダヤ人とクラシック音楽』本間 ひろむ 著
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ユダヤ人の作曲家・演奏家について述べた本。 クラシック音楽では、ユダヤ人の作曲家・演奏家はとても多く、特に現代の演奏家ではユダヤ人は非常に大きな存在感がある。本書は、クラシック音楽におけるユダヤ人の存在についてエッセイ風にまとめたものである。 ユダヤ人は元来音楽的な民ではなかった...
2023年7月10日月曜日
『博徒の幕末維新』高橋 敏 著
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幕末維新期における博徒の動向を追った本。 本書はなかなか変わった本である。幕末を生きた博徒、竹居安五郎、黒駒勝蔵、勢力富五郎、水野弥三郎といったほぼ無名の人物の動向をひたすらに追いつつ、まるで講談や任侠物のような調子で彼らを描いている。しかも、筆致は学術的であるにもかかわらず明確...
2023年7月9日日曜日
『秩禄処分—明治維新と武家の解体』落合 弘樹 著
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秩禄処分がいかにして行われたかを述べた本。 秩禄処分とは、武士の俸禄・知行を金禄公債と引き換えに廃止した行政処分であり、著者の譬えでは「公務員をいったん全員解雇して退職金も国債での支給とし、そのうえで必要最低限の人員で公職を再編するというような措置(p.4)」である。驚くべきこと...
2023年7月5日水曜日
『徳川幕閣—武功派と官僚派の抗争』藤野 保 著
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徳川幕府の草創期を、幕閣から読む本。 私は、老中、若年寄、奉行…といったような徳川幕府の統治機構が、幕末にどう崩壊していくのかに興味を持ち、そもそも幕府の機構とはどのようなものだったのかを知りたくて本書を手に取った。 だが、本書の中心は統治機構そのものというよりは、それらを担った...
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