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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2023年4月25日火曜日
『漂泊—日本思想史の底流』目崎 徳衛 著
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日本における漂泊の思想をエッセイ風に探る本。 著者によれば日本の思想史には3つの類型が登場するという。第1に、宗教的な志向、第2に、政治的・社会的な志向、そして第3に、そうした規範ではなく、旅をしつつ生の実相を見つめる志向である。すぐに看取されるとおり、この類型はあまりに大雑把で...
2023年4月23日日曜日
『蘭方医桑田立斎の生涯』桑田 忠親 著
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幕末を生きた蘭方医の伝記。 桑田立斎は、小児への種痘に取り組んだ蘭方医である。幕末には西洋医学がさかんに流入し、特に天然痘のワクチン「種痘」についてはかなり普及した。種痘の接種に取り組んだ蘭方医は多く、特に長与専斎は有名だ。そうした中で、本書の主人公の桑田立斎はそれほど有名な人物...
2023年4月6日木曜日
『旅のなかの宗教—巡礼の民俗誌』真野 俊和 著
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四国遍路を中心に日本における巡礼について述べた本。 巡礼とは、聖地に赴くことをいう。メッカ巡礼とか、エルサレム巡礼といったように。そして日本の場合、特定の目的地を持たず、神社仏閣を(しばしば当てもなく)巡る巡礼もある。 気軽に旅行に行けなかった近世以前の社会においては、旅はほとん...
2023年4月2日日曜日
『開国と幕末の動乱(日本の時代史20)』井上 勲 編
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幕末から明治維新までを通史とトピックで述べる本。 私は「開国」に興味があって本書を手に取ったが、本書では「開国」が真正面から扱われていない(むしろ同シリーズ『明治維新と文明開化(日本の時代史21)』の方が「開国」について述べている)。なお、私の言う「開国」とは西洋文明の流入と開港...
2023年3月28日火曜日
『後水尾天皇』熊倉 功夫 著
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後水尾天皇の評伝。 後水尾天皇は、江戸幕府初期の天皇である。戦国時代よりは持ち直したとはいえ時の朝廷の権威は未だ弱く、徳川の支配を受けなくてはならなかった。この難しい時代において、幕府に翻弄されつつも天皇・朝廷の復興に力を尽くしたのが後水尾天皇である。彼は幕府に従いながらも、江戸...
2023年3月25日土曜日
『将軍の生活』石井 良助 著
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江戸時代の将軍と法令、行政などについての読み物。 著者の石井良助は法制史の泰斗。本シリーズは「時の法令」に連載したものを「江戸時代漫筆」「続江戸時代漫筆」などとして刊行されたものの復刊で、その最終刊にあたる(連載時期は昭和38〜40年)。 主な内容は、江戸時代の朝廷、朝幕の関係、...
2023年3月21日火曜日
『葬式と檀家』圭室 文雄 著
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檀家制度がいかにして生まれ、それが何をもたらしたか述べる本。 日本人の多くが仏教的葬儀を行うようになったのは300〜350年前くらいからにすぎない。では何をきっかけに仏教的葬儀が行われるようになったのか。 その大きな契機となったのがキリシタン対策であった。慶長18年(1613)、...
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