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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2022年3月28日月曜日
『日本陰陽道史話』村上 修一 著
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日本史における陰陽道の話題をわかりやすく語る本。 陰陽道とは、中国由来の天体と人間の運命を関連づける考えや「易」、五行説や宿曜道(インドから伝わった天体と運命に関する仏教理論)が習合して生まれた暦製作と呪術の体系である。 ただし、本書では陰陽道は中国で生まれたとしているが、本書の...
2022年3月19日土曜日
『中世勧進の研究―その形成と展開』中ノ堂 一信 著
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中世における勧進の在り方の変遷を述べる。 勧進とは、仏教においては元来は善行を勧め仏道に入らせることを意味していたが、それが古代末期あたりから物質的な喜捨を得る経済活動という意味合いに変化した。さらに勧進は寺院修造費用調達の行為として理解されるようになっていく。 寄付集め活動とし...
2022年3月3日木曜日
『仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか』鵜飼 秀徳 著
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全国の廃仏毀釈運動について述べる。 廃仏毀釈とは、明治元年の「神仏分離令」をきっかけに各地で起こった運動で、具体的には寺院の破壊、僧侶の還俗、神葬祭の実施、仏教的行事の廃止などが行われた。 しかし廃仏毀釈は明治政府の政策ではなく、地方政府や一部の神職の独走によってもたらされた。よ...
2022年3月2日水曜日
『江戸の漂泊聖たち』西海 賢二 著
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木食僧を中心とした、江戸時代の漂泊する宗教者――聖(ひじり)――について述べた本。 聖とは、「戒を持たずに俗世において法を説いていく民間僧を指す(p.2)」というが、この定義については後述の疑義がある。ともかく寺院に所属して檀家制度に安住する僧侶とは対照的に、不安定な流浪の生活の...
2022年2月25日金曜日
『戸籍と国籍の近現代史――民族・血統・日本人』遠藤 正敬 著
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戸籍と国籍からみる近現代の歴史。 「近代日本では戸籍法が、「国民」や「家族」をめぐるある種の道徳というべきものを生み出してきた(p.15)」。戸籍は単なる国民の登録ではなく、「日本人」を統制する装置であり、国民の「純血」を演出さえしてきた。本書は戸籍が「民族・血統・日本人」という...
2022年2月21日月曜日
『氏名の誕生 ——江戸時代の名前はなぜ消えたのか』尾脇 秀和 著
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今の日本人の「氏名」がどうして生まれたのか解明する本。 「氏名がどうして生まれたのかって? そんなものずっと前からあっただろう」と思う人もいるかもしれない。もちろんずっと前から呼び名はあった。だがそれは、今の名前の常識とは全然違うもので、しかも武家と公家で別の常識の下に構成されて...
2022年2月13日日曜日
『改造社と山本実彦』松原 一枝 著
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『改造』と円本を生んだ山本実彦の評伝。 戦前の言論において『中央公論』と並ぶ時事評論誌であるとともに、多くの文豪が活躍していた雑誌『改造』。これを発行していた改造社を個人事業として経営していたのが山本実彦である。 実彦は鹿児島県の薩摩川内市大小路町に生まれた。生家は士族で鍛冶屋を...
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