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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2021年8月30日月曜日
『岩石を信仰していた日本人―石神・磐座・磐境・奇岩・巨石と呼ばれるものの研究―』吉川 宗明 著
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日本における岩石信仰について整理する本。 岩石信仰とは、「岩石を用いて霊を信仰した信仰体系全般を指す(p.76)」。 つまり岩石そのものを神とみなしたり、岩石が神の依り代となったりする信仰だけでなく、祭祀の中で石が使われたり、特に石を神聖なものとみなしていなくても特別な役割が与え...
2021年8月29日日曜日
『日本の歴史(9) 南北朝の動乱』佐藤 進一 著
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南北朝時代がいかに始まり、いかに終わったかを述べる。 本書は、川添昭二(中世の九州を専門とする歴史学者)により「まさに完成された芸術作品をみる思いである」と評されたもので、南北朝の動乱を多角的に描き、その学問的骨格を与え、その後の南北朝史研究を触発した名著である。 確かに記述は平...
2021年7月31日土曜日
『第二の性 I 女はこうしてつくられる』ボーヴォワール 著、生島 遼一 訳
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不朽の女性論。 『第二の性』は哲学者ボーヴォワールの主著である。彼女は1949年という早い時期にフェミニズム運動の先駆けとなる本書を発表した。彼女自身が、哲学者のサルトルと恋人同士でありながら婚姻も子供を持つことも拒否し、互いの性的自由を尊重しつつ共同生活するという新しい時代の女...
2021年7月29日木曜日
『ウィーン楽友協会二〇〇年の輝き』オットー・ビーバ、イングリード・フックス著、小宮 正安 訳
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ウィーン楽友協会の歴史を述べる本。 「音楽の都」ウィーン、その近代音楽シーンの中心にあったのがウィーン楽友協会である。ウィーン楽友協会の誕生以前には、音楽家が公に作品を発表する場合、自らが興行主となって演奏会を企画するしかほとんど道はなかった。つまりこの頃の「クラシック音楽」の在...
2021年7月11日日曜日
『廃仏毀釈—寺院・仏像破壊の真実』畑中 章宏 著
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各地の廃仏毀釈の事例を述べる本。 本書は、安丸良夫『神々の明治維新—神仏分離と廃仏毀釈』(岩波新書)で描いた廃仏毀釈の経過を、事例面で補足するものである。『神々の〜』は明治政府の宗教政策を包括的に明らかにした名著であるが、廃仏毀釈で何が行われたかについては、象徴的な事例がいくつか...
2021年7月10日土曜日
『中世の罪と罰』網野善彦・石井 進・笠松宏至・勝俣鎮夫 著
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日本中世における罪と罰の在り方を考察する論文集。 何を悪事と見なし、どのような罰を加えるか、ということは社会の特質を示す格好の素材である。例えば外国に行ったとき、日本ではごく普通に許されていることが罰せられたり、逆に日本ではしてはならないことが堂々と行われたりしていて、その文化の...
2021年6月20日日曜日
『破戒』島崎 藤村 著
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被差別部落出身の青年の苦悩を描く小説。 本書は、日本近代文学の重要作品として名高いものであるが、読むのが暗鬱な本である。 主人公の瀬川丑松は、被差別部落出身(穢多)であることは絶対に隠せという父の言いつけを守り、小学校教員になって生徒からも慕われるが、校長などからは生一本な性格が...
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