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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2021年7月31日土曜日
『第二の性 I 女はこうしてつくられる』ボーヴォワール 著、生島 遼一 訳
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不朽の女性論。 『第二の性』は哲学者ボーヴォワールの主著である。彼女は1949年という早い時期にフェミニズム運動の先駆けとなる本書を発表した。彼女自身が、哲学者のサルトルと恋人同士でありながら婚姻も子供を持つことも拒否し、互いの性的自由を尊重しつつ共同生活するという新しい時代の女...
2021年7月29日木曜日
『ウィーン楽友協会二〇〇年の輝き』オットー・ビーバ、イングリード・フックス著、小宮 正安 訳
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ウィーン楽友協会の歴史を述べる本。 「音楽の都」ウィーン、その近代音楽シーンの中心にあったのがウィーン楽友協会である。ウィーン楽友協会の誕生以前には、音楽家が公に作品を発表する場合、自らが興行主となって演奏会を企画するしかほとんど道はなかった。つまりこの頃の「クラシック音楽」の在...
2021年7月11日日曜日
『廃仏毀釈—寺院・仏像破壊の真実』畑中 章宏 著
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各地の廃仏毀釈の事例を述べる本。 本書は、安丸良夫『神々の明治維新—神仏分離と廃仏毀釈』(岩波新書)で描いた廃仏毀釈の経過を、事例面で補足するものである。『神々の〜』は明治政府の宗教政策を包括的に明らかにした名著であるが、廃仏毀釈で何が行われたかについては、象徴的な事例がいくつか...
2021年7月10日土曜日
『中世の罪と罰』網野善彦・石井 進・笠松宏至・勝俣鎮夫 著
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日本中世における罪と罰の在り方を考察する論文集。 何を悪事と見なし、どのような罰を加えるか、ということは社会の特質を示す格好の素材である。例えば外国に行ったとき、日本ではごく普通に許されていることが罰せられたり、逆に日本ではしてはならないことが堂々と行われたりしていて、その文化の...
2021年6月20日日曜日
『破戒』島崎 藤村 著
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被差別部落出身の青年の苦悩を描く小説。 本書は、日本近代文学の重要作品として名高いものであるが、読むのが暗鬱な本である。 主人公の瀬川丑松は、被差別部落出身(穢多)であることは絶対に隠せという父の言いつけを守り、小学校教員になって生徒からも慕われるが、校長などからは生一本な性格が...
2021年6月16日水曜日
『ハプスブルク 記憶と場所——都市観相学の試み』トーマス・メディクス 著、三小田 祥久 訳
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ハプスブルク帝国の残滓を見つめる旅。 本書は、副題に「都市観相学の試み」とつけられているが、このような学問があるわけではないらしい。それは、観相学——すなわち顔立ちから内面を窺う技術——を都市に応用し、都市の相貌からその内面を覗いてみようというもののようだ。しかし本書は学問的とい...
『時代と人間』堀田 善衛 著
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「時代の観察者」を描く本。 本書は、「NHK人間大学 時代と人間」のテキストを単行本化したものである。その内容は、ある時代の中で活躍しつつも、それをどこか醒めた目で見つめた人々を紹介するというもので、鴨長明、藤原定家、法王ボニファティウス、モンテーニュ、ゴヤの6人が取り上げられて...
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