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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2021年3月24日水曜日
『バッハ復活―19世紀市民社会の音楽運動』小林 義武 著
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19世紀にバッハが再発見されていく様子を述べる本。 バッハは、死後急速に忘れられた。もともと存命中にも第一級の作曲家として認められていたわけではなく、鍵盤楽器(特にオルガン)の演奏家として知られていただけだったから、早くに忘れられたとしても不思議ではない。しかし19世紀になって、...
2021年3月20日土曜日
『三宅観瀾・新井白石(叢書・日本の思想家14)』新藤 英幸 著(その2)
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【新井白石】 実を言うと、本書のうち新井白石の方は、読むつもりがなかった。しかしちょっと読み始めたら面白くてつい全部読んでしまった。 新井白石の祖父・父は、古武士のような面持ちがある人物で、剛毅な性格のため仕官と浪人を繰り返した。将来の白石の浮沈を予感させるようで、導入から引き込...
2021年3月17日水曜日
『三宅観瀾・新井白石(叢書・日本の思想家14)』新藤 英幸 著(その1)
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三宅観瀾と新井白石の伝記。 【三宅観瀾】 乃木希典は明治天皇に殉死する直前、東宮御所(皇太子)に赴いて自ら筆写したある本を献じた。それこそが三宅観瀾の主著『中興鑑言』である。では本書の内容、そしてそれを書いた三宅観瀾とは何者か。 三宅観瀾は、京都あるいは滋賀の下級侍(父の生業は医...
2021年3月14日日曜日
『肉食妻帯考—日本仏教の発生』中村 生雄 著
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日本仏教における肉食妻帯についての論考。 本書の主張は次の3点に集約できる。すなわち、(1)古代における日本仏教では肉食妻帯が禁じられたが、いずれも厳格には守られず、特に妻帯については常態化した。(2)親鸞と本願寺教団は妻帯を積極的に位置づけ、おそらくはそのためもあって近世に大き...
2021年3月9日火曜日
『家族と女性(シリーズ 中世を考える)』峰岸 純夫 編
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中世における家族の様相を女性の在り方を中心として述べる論文集。 日本の中世においては、今ほど女性は従属的な立場に置かれてはいなかった。女性は財産権を持ち、政治においても重要な役割を果たした。慈円が『愚管抄』で「女人入眼(にょにんじゅげん)ノ日本国」としたように、大事なことは女性が...
2021年3月7日日曜日
『現人神の創作者たち』山本 七平 著
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朱子学の日本的変容を述べる本。 『現人神の創作者たち』という書名からは、誰しも国家神道の創作者、すなわち明治時代から戦前に至るまでの政治家や内務官僚のことを予想するに違いない。あるいは、敬神思想を鼓吹した国学者たちのことを。しかし本書の内容は、江戸時代の朱子学者たちの著作を紐解く...
2021年2月24日水曜日
『管子』西田 太一郎 訳(『世界古典文学全集 19 諸子百家』所収)
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管仲に仮託された政治・経済政策の思想。 管子(管仲)は、中国の春秋時代、斉の桓公を補佐して国を富ませた名宰相であった。それに続く戦国時代、斉では学者を優遇して、大夫(家老)の待遇を与えて専ら学問に専念させたが、それに応じて天下の俊英が斉に集ってきた。こうして斉には「稷下の学士」と...
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