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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2020年12月31日木曜日
『カルル・チェルニー—ピアノに囚われた音楽家』グレーテ・ヴェーマイヤー 著、岡 美知子 訳
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チェルニーの人生を辿り、19世紀前半の音楽シーンを描く。 チェルニーといえば、ピアノ学習者にはおなじみで、『チェルニー30番』とか『同40番』などの練習曲に苦労した記憶は誰にでもある。だが、チェルニーという音楽家がどのような人物であったのかは知らない人が多い。本書は、チェルニーと...
2020年12月30日水曜日
『音楽と音楽家』シューマン 著、吉田 秀和 訳
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シューマンによる音楽時評。 シューマンは、若い頃に文学の道に進むか迷ったほど文筆にも秀でていた。結局彼は音楽の道に進んだが、1833年のライプツィヒで、仲間たちと音楽の行く末を論じているうちに、「進んで事態を改善し、芸術のポエジーの栄誉をもう一度取り戻そうではないか」と新しい雑誌...
『殉教と民衆—隠れ念仏考』米村 竜次 著
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相良藩(人吉藩)を中心として真宗禁制の実態を描く本。 相良藩では、薩摩藩と同じく江戸時代に真宗(一向宗)が禁止されていた。しかしその実態は、史料がほとんど残っていないため謎に包まれている。本書は、相良藩を中心として近世南九州における真宗禁制を、いくつかのトピックをキーにして読み解...
2020年12月22日火曜日
『倭寇―海の歴史』田中 健夫 著
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倭寇を軸に、14〜16世紀の東シナ海の歴史を描く。 倭寇と一口に言っても、時代も場所も様々であり、日本人も朝鮮人も中国人もおり、その目的も略奪から交易まで多様だった。そもそも、大陸では秀吉の朝鮮出兵も「倭寇」と見なされており、「倭寇」はカッチリとした歴史概念ではない。 広義に考え...
2020年12月10日木曜日
『王法と仏法—中世史の構図』黒田 俊雄 著
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仏教をキーにして中世社会を考察する論文集。 黒田俊雄は、「顕密体制論」によって中世(鎌倉・室町時代)の仏教の見方を一変させた。約50年前の話である。 鎌倉時代といえば、親鸞や一遍、日蓮や栄西といった「鎌倉仏教」の時代であると誰もが思っていた。ところが同時代資料を繙いてみれば、「鎌...
2020年12月7日月曜日
『魔群の通過—天狗党叙事詩』山田 風太郎 著
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水戸の天狗党の長征とその悲劇を描く小説。 天狗党とは、水戸藩の尊皇攘夷派のことである。よく知られているとおり、幕末、水戸藩には「水戸学」と呼ばれる国粋主義的な歴史学・政治哲学が生まれた。水戸学は、国学と合流し、尊王攘夷・倒幕運動の原動力になっていく。 徳川斉昭の擁立にも成功した天...
2020年11月23日月曜日
『ベートーヴェンの生涯』青木 やよひ 著
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実証的な資料によって構成したベートーヴェンの伝記。 ベートーヴェンの生涯は、長く誤解されてきた。晩年の秘書であったアントン・シントラーによって偏見と誇張に満ちた最初の伝記が作られて以来、それに引きづられて非人間的な孤高の芸術家像が一人歩きするようになったからである。 ロマン・ロラ...
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