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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2020年9月24日木曜日
『中世の板碑文化』播磨 定男 著
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板碑の世界を概観する本。 板碑は、沖縄を除く日本全国に5万2千基もある。本書はこの板碑の起源から終焉までをほぼ時系列で辿りながら、その全体像を把握しようとしたものである。各宗派・各地方に目配せをしながら記載しており板碑の世界が総合的に理解できる。 本書の問題意識の一つは、板碑の形...
2020年9月22日火曜日
『江藤新平—急進的改革者の悲劇』毛利 敏彦 著
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江藤新平の驚くべき先見的業績を通観する本。 明治維新の開明性を担っていたのは江藤であった。維新の功臣たちは天皇中心の中央集権国家を建設するという意気込みは持っていたが、例えば基本的人権、法治主義、三権分立など、近代国家が備えるべき国家システムにはあまり興味がなかった。 こうした近...
2020年9月10日木曜日
『差別戒名とは』松根 鷹 著
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差別戒名の現在を述べる本。 差別戒名とは、主に被差別階級の人々に対し、差別的意図をもってつけられた戒名である。例えば、「畜男(女)」(家畜のような人間)、「似男(女)」(男に似ているが男ではないという意味)といった直接的な表現もあるし、部落民以外は4字の戒名なのに部落民だけ2字で...
『廃藩置県―近代統一国家への苦悶』松尾 正人 著
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廃藩置県の経緯を描く。 明治政府は当初、諸藩の連合政権であった。木戸孝允や大久保利通といった維新のリーダー達も、藩からの出向のような形で政権に参与していた。土地も人も、藩が所有しているものとされたのである。ところがそれでは中央集権の近代国家にはなることができない。そのため...
2020年9月4日金曜日
『太陽と月—古代人の宇宙観と死生観(日本民族文化体系 2)』谷川 健一 編
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天体と世界観の民俗学。 本書は太陽と月を中心として、現代に残った民俗や史料、神話・伝説から古代人の宇宙観や死生観を考察する論文集である。収録されているのは、次の諸編。 序章 古代人の宇宙創造:谷川健一 第1章 太陽と火:大林太良 第2章 月と水:松前 健 第3章...
2020年9月2日水曜日
『葬式仏教の誕生—中世の仏教革命』松尾 剛次 著
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仏教が葬式を担うようになった変化を描く。 日本に伝来した当初の仏教は、葬式には関与していなかった。仏教の活動の中心が葬儀を執り行うこととなったのは、中世からである。本書は、その変化がどのようにして起こったかを述べるものである。 古代の僧侶たちが葬式に関与しなかったのは...
2020年8月30日日曜日
『大学・中庸・孟子』金谷 治・湯浅幸孫・日原利国・加地伸行 訳(世界文学全集 第18巻)
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儒教の重要な古典。 儒教には四書五経といわれる古典があり、うち四書とは『論語』『大学』『中庸』『孟子』を指す。もともと『大学』『中庸』は(五経の一つである)『礼記』の一部分であり、これを独立させて重視したのは南宋の朱熹(朱子)であった。 朱熹はこれを独立させたばかりで...
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