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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2020年4月30日木曜日
『海洋国家薩摩』徳永 和喜 著
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鎖国体制の中でも薩摩が東アジア世界と繋がっていたことを述べる。 薩摩藩は中世から南蛮貿易・唐貿易を行い、また鎖国体制下においても琉球国を隠れ蓑にして中国等と交易を行っていた。しかしこれは密貿易であったために史料があまり残っていない。 そこで著者は様々な史料の断片からか...
2020年4月29日水曜日
『黄檗伝心法要』入矢 義高 訳(西谷啓治・柳田聖山編『世界古典文学全集36A 禅家語録 I』 所収)
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禅学概論の書。 『黄檗伝心法要』は臨済義玄(りんざい・ぎげん)の師匠であった黄檗希運(おうばく・きうん)の講義録である。 これは、黄檗の在俗の弟子であった裴休(はいきゅう)が江西の鍾陵における説法(842年)と宛陵での説法(848年)を筆録したものを基本に、他の弟子が...
2020年4月9日木曜日
『頓悟要門』平野 宗浄 訳(西谷啓治・柳田聖山編『世界古典文学全集36A 禅家語録 I』 所収)
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頓悟の理論書。 禅には北方で行われていた禅(北宗)と南方のそれ(南宗)があるが、『六祖壇経』の六祖こと恵能(えのう)の弟子荷沢神会(じんね)が、 北宗は漸悟——長い修行の末に悟る 南宗は頓悟——すぐさま悟る だと決めつけてから南宗の独走となった。 そしてそれを新...
2020年3月31日火曜日
『密教とマンダラ』頼富 本宏 著
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マンダラを中心として密教の考え方に触れる本。 本書は、主に3つの内容で構成される。 第1に、密教がインドに発生してから日本に伝来し、発展していくまでの歴史である。日本に来るまでの歴史は簡略であるがよく要点がまとまっておりわかりやすい。日本が受容した密教は「中期密教」で...
2020年3月10日火曜日
『達摩二入四行論』柳田 聖山 訳(西谷啓治・柳田聖山編『世界古典文学全集36A 禅家語録 I』 所収)
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最初期の禅籍。 『達摩二入四行論』は最も古い禅籍であり、禅の初期思想を伝えるものである。達摩(「達磨」が一般的な表記だが、敦煌本の発見によりこちらの方が元来の表記とされ、本書ではこちらが採用)という人物の実在は怪しいが、達摩に仮託して表現された初期の禅のエッセンスがつまっ...
『アマテラスの変貌—中世神仏交渉史の視座』佐藤 弘夫 著
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神仏習合論に新しい視座を導入する本。 神仏習合は、古代末期から中世にかけて進行した。そして神と仏は人々の信仰の中でほとんど区別されないようになり、仏教と神道は切り分けることができないほど一体化した…と考えられてきた。しかし著者によれば、それはちょっと大雑把すぎる見方という...
2020年3月8日日曜日
『観応の擾乱—室町幕府を二つに引き裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い』亀田 俊和 著
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観応の擾乱を丁寧に解きほぐす本。 観応の擾乱とは、室町幕府の成立初期、足利尊氏とその弟直義(ただよし)の兄弟が争った内乱である。関ヶ原の合戦などと違い、どちらが勝っても足利政権なわけで、地味な内乱としてあまり踏み込まれることがないが、本書はこの乱によって室町幕府の性格が確...
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