書径周游
読書メモと随想。
筑摩 世界古典文学全集を読む
(移動先: ...)
ホーム
ウィタ・ドクショリアス
筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
▼
2019年7月17日水曜日
『女と刀』中村きい子 著
›
自我を持った女の、反抗の物語。 権領司キヲは、薩摩藩の外城士の娘として生まれた。外城士とは、武士ではあるが城下士よりも一段下の存在で、キヲはその中では割合によい身分だった。 キヲの父は西南戦争で賊軍として負けたことを終生悔しがり、その恨みのエネルギーはキヲ達への教育へ...
2019年7月11日木曜日
『日向国山東河南の攻防—室町時代の伊東氏と島津氏』新名 一仁 著
›
鎌倉から室町までの日向国山東河南の歴史について、島津氏と伊東氏の関係を軸に語る本。 日向国の「山東河南」とは、宮崎県平野部の大淀川南岸を指す。ここは島津氏、伊東氏の領国の境界に位置していたため、その勢力が激突する場所であった。 鎌倉時代の山東 鎌倉時代の初め、宮崎県...
2019年7月6日土曜日
『薩摩の女―兵児大将の祖母の記』大迫 亘 著
›
理想化された「薩摩の女」を描く小説。 著者の大迫亘は、加世田の没落士族・大迫家の次男として生まれた。父は医者だったが、母との結婚が認められなかったことや加世田の封建的な風土がイヤになり出奔。そのせいで母は気鬱症になり、亘は祖母に育てられた。亘の祖母・琴は一家の収入がほとん...
2019年7月2日火曜日
『中世島津氏研究の最前線』新名 一仁 編
›
中世島津氏研究に関する書き下ろし論文集。 本書は12本の書き下ろし論文によって構成されており、中世の島津氏について多角的に検討していくものである。 「第一部 島津氏の系譜と分国内の諸勢力」では、島津氏の発祥から織豊政権期までの政治的な動きが述べられる。島津氏は南九州に...
2019年6月29日土曜日
『知の職人たち・生涯を賭けた一冊(紀田順一郎著作集〈第6巻〉)』紀田順一郎 著
›
生涯最大の一冊の誕生のドラマ。 『知の職人たち』は明治から戦前までの大叢書・大辞書・大事典を生みだした天才たちのドラマであり、『生涯を賭けた一冊』は作家や学者ではなかった人を中心に、その生涯の総決算として作った一冊の本について述べるものである。 『知の職人たち』 コ...
2019年6月26日水曜日
『紀州—木の国・根の国物語』中上健次 著
›
中上健次による、紀州の旅。 本書は、昭和57年の春から年末にかけて断続的に行った紀州の旅のルポルタージュである。言うまでもなく、中上健次は紀州(新宮)の被差別部落に生まれた小説家で、差別はその小説の大きな主題となっているが、ここでも旅のテーマは差別・被差別である。 中...
2019年6月14日金曜日
「話」を集めた民俗学者
›
南方熊楠の『十二支考』は驚異的な本である。 これは十二支に宛てられている動物たち(もっとも牛は除く)に関する蘊蓄を縦横無尽に語っている本なのだが、蘊蓄のレベルが超人的だ。古今東西の文献を博引旁証し、仏典のようなお堅い本から現代のゴシップのような話まで自由自在に飛び交ってい...
‹
›
ホーム
ウェブ バージョンを表示