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筑摩 世界古典文学全集を読む
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筑摩 世界古典文学全集を読む
南薩日乗
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2012年8月31日金曜日
『生活の世界歴史 (1) 古代オリエントの生活』 三笠宮 崇仁 編
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メソポタミア、アッシリア、エジプトの古代社会の構造や技術、経済についての論文集。 本シリーズは、その趣旨や目的がシリーズ中のどこにも説明されていないが、その内容から忖度するに、「世界史といってもこれまで書かれた“世界史”の実態は政治史に過ぎないのではないか。それだけでは見えて...
『五輪塔の起原―五輪塔の早期形式に関する研究論文集』 藪田 嘉一郎 編著
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日本全国にありふれているのに、基本的な研究がほとんど進んでいない五輪塔についてまとめられた稀有な本。 五輪塔は平安時代末期以降に非常に流行した墓石形態であるが、その形態や信仰についてのまとまった書籍は少ない。本書は論文集ではあるが、分量的にはほとんど編著者の論考が占め、他の著...
2012年8月30日木曜日
『石の宗教』 五来 重 著
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日本人にはもともと自然石を敬ったり、石を積むことで死者を弔ったりといった、石による信仰があったことを様々な事例を引いて主張する本。 著者の主張にはナルホドと思わせる部分が多く、旧来の仏教・神道・民間信仰などという縦割りの研究では見えにくかった日本人の素朴な信仰が透けて見える思...
2012年8月29日水曜日
『害虫の誕生―虫からみた日本史』 瀬戸口 明久 著
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明治以前の日本では害虫対策はほとんどなかったが、警察の指導や戦争の影響で殺虫剤等の対策が普及した、という本。 江戸期の日本人にとって虫害はどうしようもないものであり、「虫が出るのは祟り」などとする観念があったという。明治政府は西欧から応用昆虫学を導入し、これを駆除すべく農民を...
2012年8月27日月曜日
『米・百姓・天皇 日本史の虚像のゆくえ』 網野 善彦、石井 進 著
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日本史の水田中心主義に対して意義を唱えながらも、それに代わる見方も未熟で生煮えな本。 本書は日本史学者二人の対談であり、正直なところ、日本の歴史学界への単なる愚痴にすぎないところが多い。その意味で、極めて内輪的な本である。さらに、対談の中で体系的・理論的な主張がなされるわけで...
2012年8月25日土曜日
『甘藷の歴史』 宮本 常一 著
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甘藷(サツマイモ)の歴史についてまとめられた貴重な本。 茶や米といった作物なら、その故事来歴を語る本はたくさんあるが、サツマイモのようにありふれた日常的なものは、なかなか注目を浴びにくい。だが、痩せた土地でもよく育ち、手間もかからないというサツマイモは、確実に庶民の生活を...
2012年8月24日金曜日
『茶の湯の歴史』 神津 朝夫 著
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茶の湯の歴史を極めて実証的に書いた本。 茶の湯のような「高尚な」芸事の歴史というと、とかく精神性・芸術性・神秘性が強調され、行き着くところは単なる権威主義であったり、創始者への絶対的な崇敬だったりするわけだが、この本には、全くそういうところがない。 当時の社会情勢を踏まえ...
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